秋の好きな記憶たち

  • レアですよ。
    あ、そういえば、この時良かったよね。 そういう記憶たちを詰め込みます。気ままにね。

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定規を折って。

5年生の男子が友達の定規で遊んでいたら

ペキンッと折れてしまった。

折られた方は「なにやってんのよーーーっ!」と大声で叫んだ。

周りはその声に驚いて「なしたの?」とぞろぞろ寄ってきた。

「なんで折ったの?」

「誰がやったの?」

「あーーーあ,知らないよ。」

「どーすんの?くっつくの?」

「弁償したほうがいんじゃねーの?」

「かわいそー。」

「なにやってんのよー。」

折ってしまった子は

定規を持ったままオロオロしていた。

「どうしたらいいと思う?」と尋ねると

「あやまる。」と言うので

「じゃ,あやまってみたら?」と言った。

「ごめんね。」と蚊の鳴くような声であやまった。

「えーーーいいけどーーー。どうすんのよ,これーーー。」

どうすんのよ,と言われ,彼はまたわたしを見上げた。

「どうしたらいいと思う?」

「ボンドでくっつけてみる。」

「そう。じゃ,やってみたら。」

休み時間ずっと,ボンドでくっつけようと試みていたが,やっぱりだめだった。

そんなことは,最初からわかっていた。

「くっつかなかった。」

ベタベタになった定規を持ってきてそう言った。

「そうかい,残念だね。じゃ,どうしたらいいと思う?」

「買って返そうかな。」

「お母さんにお願いするのかい?」

「うん。人のを折ったっていったら,たぶん買ってくれると思う。」

「そう。じゃ,そうやって言ってきたら?」

彼はベトベト定規を持っていって

「あのさ,ボンドでくっつかなかったから,買って返すから。」

定規を折ってから30分ほどたっていた。

「……うん……。」

最初の怒りはどこへやら。

30分間なんとか直そうとしていた彼の姿を見ていたせいか,

だんだんかわいそうになってきて,強く言えなくなったのだろう。

次の日,

定規を折ってしまった子に「買ってきたのかい?」と聞いてみると

「買わなくてもよくなった。」と言う。

「ふうん。なんで?」と聞くと,

「やっぱり,弁償しなくてもいいから,って電話がきたから。」と言った。

定規を折ったことによって

彼らはたくさんのことを学んだのだ。

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